１：　　すべては神様が創造された

ここでは「知恵」のことを「わたし」とし、「知恵」は神様の天地の創造の前に造られたと言います。ヨブ記の３８章において神様はヨブの前に立ち、「あなたは何者か。わたしが大地を据えたとき、お前はどこにいたのか。」と尋ねます。ヨブ記では、創造主なる神様の御前においてのすべての人間の小ささを教えます。この世に存在するすべてのものは、生まれや、育ち、能力、性別など違いがあろうとも関係なく神様に造られたものなのです。私たちは被造物として、神様が造られたすべての命を大切にしなければならないのです。

２：　深淵に境界を定められた

創世記の１章で「初めに、神は天地を創造された。地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。」（創世記1:1-2）とあり、神様はここに「光あれ。」（創世記1:3）と光を創造なされたのです。その神様が、今日の箇所において「深淵の面」に「原始の海に境界を定め、水が岸を越えないようにし、大地の基を定めた」（箴言8:29）のです。神様は、絶望の状態に境界を定め、神様の秩序、光の支配するところ、希望に満ち溢れているところを定められたのです。私たち被造物は、神様の秩序のある、希望に満ち溢れた世界に生かされているのです。

３：　イエス・キリストにより、神の知恵を知る

神様の知恵を私たちが知るために、イエス・キリストはこの世に来られました。神様は、秩序、命、光を生み出された。私たちはイエス・キリストの十字架を通して神様の恵みを頂くのです。十字架は死と絶望を意味します。神の御子イエス・キリストは十字架、死、混沌、無秩序の中へ向かわれた。そして死に勝利し、秩序、命、光、そして希望を創造されたのです。これが神様の知恵です。

４：　　神様の知恵を頂いて生きる

　箴言は、私たちが、人間の知恵ではなく、無秩序の中に、秩序を生み出し、絶望の中に希望を生み出した、神様の知恵によって生きることを教えます。私たちは、お互いが赦されて生かされていることを覚えたいと思います。神様の知恵の中で生きるということは、お互いの弱さを受け止めてくださっている神様を覚えて共に歩むことです。私たちは、この神様の知恵、神様の命をいただき、歩んでいきたいと思います。（笠井元）