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2014.7.20 「『開け』~孤独な心を解き放つ~」 マルコによる福音書7:31- 37

1:  連れてきた人々

 イエス様は異邦人のところにやってきてくださいました。人びとは、イエス様が来られることを聞いて、耳が聞こえず、舌の回らない人を、その御許へと連れてきたのです。これまで耳が聞こえず、舌の回らない人。つまり、コミュニケーションをとることが一番困難と思われる、その人の周りに、多くの人々がいました。人々は、イエス様が来られることを聞いて、この人と一緒に生きる為に、より一層お互いを理解することができるために、イエス様の前に向かったのです。

2:  連れ出すイエス様

 イエス様は、この人を群衆から連れ出し、そして、「指をその両耳に差し入れ、それから唾をつけてその舌に触れられた。」(33)のです。

 これがイエス様からの働きかけです。心を閉ざし、心にだれも受け入れない人。その人の心に触れる為に、一つ一つの確認からはじめ、おたがいに一対一の関係で、お互いのコミュニケーションを深めていく。そのイエス様の行為が、ここに記されているのです。

 

3:  エッファタ 開け

 イエス様は、この閉ざされた心を開くために、「エッファタ」と言われました。イエス様は、その閉ざされた心を開くために祈られました。

 この人が心を閉ざした大きな理由、最大の理由は「孤独」であったのだと思います。イエス様の祈りによって、ここで、癒しの出来事が起こったのです。この癒しの出来事は、「開け」という言葉のとおり、これまで心を閉ざしていた、この耳が聞こえず、舌の回らない人の心が開かれたのでした。この人は、多くの周りの人々の支え、そしてその思いに、そしてそれは祈りに支えられてここまで来たのです。そして、最後の最後に、イエス様の祈りによって、心が開かれたのであります。

 孤独である者の本当の隣人になってくださった方。それは私たちの主、イエス・キリストです。

 

4:  孤独からの解放

 この人は、耳が開き、話すことができるようになりました。それは、孤独からの解放でした。それは、隣にいる多くの人々の祈りに気がついたときであり、その中心にある十字架のイエス・キリストの祈りに出会わされた時でありました。

 イエス様は、「だれにもこのことを話してはいけない」(35)と口止めをされました。口がきけずにいた者の口が利けるようになった時に、その人は、どれほど口止めをされても、そのすばらしい恵みを語り伝えたのです。それは、自分は独りではないこと、孤独ではないことを伝えるということです。それは神様の愛、神様が与えて下さっている大きな愛の恵みを伝えることでしょう。